皆様は、子育てや介護と仕事の両立について、どのように考えていますか?「仕事をしながら子育てや介護なんて難しい」と、仕事を諦めようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、これからの新しい働き方「短時間勤務の正社員」について、ご紹介いたします。
1.短時間勤務の正社員とは?
短時間正社員とは、厚生労働省によると、フルタイムの正社員と比べて1週間の所定労働時間が短い正規型の社員のことを指します。
その主な定義は以下の2点です。:
・期間の定めのない労働契約を結んでいる(無期労働契約)
・時間当たりの基本給、ボーナスや退職金等の算定方法などが同種のフルタイム正社員と同じである
(出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240724/k10014520121000.html)
つまり、週日でも、月時間でもこのつの条件を満たせば、正社員として子育てや介護などと両立しながら働くことができるのです。
2.短時間勤務の正社員のメリットとは?
厚生労働省によると、短時間勤務の正社員には、企業・労働者・社会それぞれにとってメリットがあります。
企業側のメリット
- • 労働力不足の解消
- • 意欲や能力の高い人材を柔軟に雇用できる
- • 業務の効率化やマネジメントの改善
労働者側のメリット
- • ワークライフバランスの実現
- • キャリアの継続・形成が可能
- • 処遇(給与・評価など)の改善
社会的なメリット
- • 子育て・介護との両立支援による少子高齢化対策
- • 労働人口の減少への対応
(出典:https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/tayou/tanjikan/outline/merit.html)
3.短時間勤務の正社員にインタビュー
現在、サービスオフィスSYNTHでは、無期雇用・同等報酬・福利厚生の条件を満たす短時間勤務の正社員を5名雇用しております。今回はその中から2名にインタビューを行いました。
Q1. 現在の勤務時間や勤務日数を教えてください。
Aさん:週5回9:00-15:00
Bさん:週5日9:30~16:30
Q2. 短時間勤務正社員になった経緯は?
Aさん:
子供が産まれて、生活リズムが変化したためです。家庭での役割を踏まえて1日のスケジュールを計算した際に、現在の勤務時間が家庭とのバランスが取れると考えました。
Bさん:
2人目の子供が生まれ社会復帰をする際に、保育園の送り迎えの時間や体力を考えると標準時間での勤務は厳しいため短時間正社員として働くことにしました。
Q3. 業務量と勤務時間のバランスは?
Aさん:
復職前はフルタイムで勤務していたので、当時の感覚で仕事を進めると時間は思った以上にあっという間に過ぎます。現在の勤務時間に応じた業務量はまだ模索中ではありますが、ポジティブに捉えながら自分の業務の適正量を見つけていきたいです。
Bさん:
いつでもバランスよく働けるとは思いません。月の中でも忙しい時期であれば、どうしてもすべての作業を急ぎ足にしなければ業務を終えることができない日もあります。標準時間勤務の方とほとんど同じ業務をするので仕方ない部分もあると思っております。
Q4. 短時間勤務にして良かった点は?
Aさん:
産後1年経過しますが体力の回復が万全でないままの復帰となることに、実は密かに不安を感じていました。実際勤務してみると、短時間なので疲れることなく前ほど体力的な心配は無かったということに安心しております。
Bさん:
仕事終わりに子供と向き合う時間が取れるようになったことは大きなメリットです。
Q5. 上司や同僚の理解・サポートはありますか?
Aさん:
私が短時間勤務であることは全員に浸透しているため、無理なスケジュールを組まれたり、業務過多になることは一切なく、むしろ無理のない範囲での業務をさせていただいているため、皆様へは感謝ばかりです。新たなプロジェクトへの参加などもあり、仕事のやりがいも以前と同様に感じられています。
Bさん:
上司や同僚の方々には申し訳なくなるくらい理解をしていただき、サポートをしていただいています。時短だからと心無いことを言ってこられたことは一度もありません。
Q6. プライベートや家庭生活の変化は?
Aさん:
産休・育休中から子供とずっと一緒に居て息が詰まることもありましたが、今は仕事が始まったことで自分の時間が持て、生活にメリハリが生まれました。
Bさん:
標準時間で働いていた時は子供を寝かせるのが23時頃になってしまう日もあり、体力的にも気持ち的にも余裕のない生活をしていました。現在は、親子で落ち着いた気持ちでご飯を食べ、21時の就寝時間までにコミュニケーションをとる時間ができたので「親子らしい生活を送れる」という変化がありました。
Q7. 短時間勤務を今後も続けたいですか?
Aさん:
はい。子供が小さいうちは引き続きこの勤務形態で就業ができれば、仕事もプライベートも両立できると考えています。子供が大きくなり、手が離れた頃にはフルタイム勤務に戻したいと考えています。
Bさん:
続けさせていただきたいと思っております。来年は第一子が小学校へ入学し、生活が大きく変化します。短時間勤務をさせていただくことで大きな変化へ気持ちに余裕をもって挑めるのではと思っています。
Q8. 同じように短時間勤務を検討している人にアドバイスをお願いします。
Aさん:
私はSYNTHに入社するまで、時短勤務は自身の業務が減った分の補填を他の方々が行うことになるため、後ろめたい気持ちでいっぱいになるだろうと考えていました。ですが、SYNTHの皆様からの配慮やご理解があるおかげで、時短勤務ができ、自分が時間内でできる、やるべきことに注力できているので、本当にありがたいと感じています。もちろん周りへの感謝の気持ちは大切にしつつ、まずは相談してみてください。
Bさん:
正社員で短時間勤務をさせていただけることは家族を持つ方にとって非常に安心できる選択肢だと私は思います。気持ちに余裕を持つことは家庭だけでなく職場でもよい影響があると思うのでお勧めの働き方です!
お話を聞いていると、お二方とも子育てをしながらの仕事の両立には不安があったそうです。しかし、短時間勤務のおかげで、体力だけでなく心の余裕にも繋がり、お子様と向き合うことや、自分の時間を持つことができた、とのことでした。
「働きたいけれど、今の生活では難しいかも…」と悩んでいる方。短時間勤務の正社員という新たな選択肢を、ぜひ視野に入れてみてはいかがでしょうか。